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終末期医療ガイドライン

作成;平成21年5月15日
改正;平成22年2月9日

生命の尊厳と患者の意思表明や意向を尊重し、適切な終末期医療が行われることを目的として、このガイドラインを策定しています。

Ⅰ.基本方針

葛西昌医会病院の医療従事者は、患者と医療従事者の相互理解に基づいて、終末期を迎える患者及び家族を支え、さらに患者自身が求める最善の終末期医療が行われるよう努力しています。

Ⅱ.終末期の定義

「終末期」とは、以下の3つの条件を満たす場合を言います。

  1. 医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断すること。
  2. 患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師等の関係者が納得すること。
  3. 患者・家族・医師・看護師等の関係者が死を予測し対応を考えること。

Ⅲ.終末期医療及びケアのあり方について

~治療の開始・継続・中止について~

1.生前の意志表明(リヴィングウィル*1)がある場合

医師はいかなる病気についても、その病状、可能な治療法、それを行った場合の病状のみならず、生活その他の場面にもたらす影響を含めて説明を行いま すが、終末期においても同様です。専門的な医学的検討を踏まえたうえで「説明と同意(インフォームド・コンセント)に関するガイドライン」に基づく患者の 意思決定を基本とします。その際、医師は押し付けにならないように配慮しながら患者と十分な話し合いを行うものとしています。
しかしながら、医学の進歩にもかかわらず、病気の治療には限界があるため、医療の現場では治療の開始・継続・中止の判断が大変難しい場面がありま す。終末期には、特にその判断に苦慮する場面が多く、その際には患者の意思を尊重し対処します。時間の経過、病状の変化、医学的評価の変更に応じて、その 都度説明し患者の意思の再確認を行います。また、患者が拒まない限り、決定した内容を家族等に知らせます。なお、救急時における医療の開始は、原則として 生命の尊厳を基本とした主治医の裁量にまかせるものとしています。
終末期においては、人工呼吸器や経管栄養、補液、抗生剤などの薬物の使用開始と継続が問題となります。普段から病気の状況に合わせて事前にそのような治療を受けるのか、あるいは治療の継続を中止するのかなどの生前の意思表明を明確にして文書に残しておくべきでしょう。
文書として作成する意義は、作成を契機に終末期という状況を自分でよく考え、家族と話し合うことと代弁者を選定しておくことで、将来の無用な混乱を 避けることにあります。救命救急 を要する病気や脳の病気などでは、自分が判断できない状況に陥ることもありますので、代弁者を決めておくことも大変重要であると考えています。

*1: リヴィングウィルとは、「生きている間に、 自分で書いておく遺書のような書面」のこと。つまり、生きている間に有効となる書面です。[1]自分の意志を記すだけでなく、できれば代弁者をも決めてお くことを理想とします。[2]文書で示されたものに限らず口頭での意思表明も認めるものとします。

2.生前の意志表明が不明確か、ない場合

本人の言動を日頃から知っている家族があり患者の意思が推測できる場合は、その方から本人の意思を聞きます。この場合、家族は生計を同じくするもの とします。患者が信頼を寄せ、終末期の患者を支える存在であるという趣旨であり、法的な意味での親族だけではないものと考えます。
「治療により回復が期待できない状態と医師が判断した場合、他の医師、看護師等と家族を交えて話し合い、治療を開始しない、あるいは医療を中止する ことを決めることができる」ようにしています。患者にとって何が最善であるかについて家族と十分に話し合い、患者にとっての最善の治療方針をとることを基 本とします。
この場合、本人との関係が親密であったと推定される方(最近親者)の意向を一番に優先することが現実的と考えます。医療提供者は家族全員が状況を理解し考えをまとめるにあたり、可能な限りそれを支援することが必要であると考えています。 治療方針を決定する際は、医療提供者側と家族との信頼関係を損なわないよう、治療方針の決定には、その経緯及びその理由等を記録しています。
家族がいない場合及び家族が判断を医療従事者に委ねる場合には、患者にとっての最善の治療方針をとることを基本方針とします。合意が得られない場合、第3者を含む倫理委員会等で検討し、その結論に基づいて対応します。

*2: 救命救急の場では、発症から数日以内の短い 期間で終末期と判断されることも多く、当院においてもこのようなケースは少なくありません。また、癌や難病や慢性疾患の末期などでは、1~2ヶ月というこ ともあります。数年前から死が予測されることもあります。従って終末期を期間で決めることは必ずしも容易ではなく、また適当ではありません。

~治療方法の選択と確認~

「一人で決めない」「1回で決めない」「記録を残す」ことを基本とします。
主治医、上席医、看護師、医療相談員等の医療従事者と、患者本人および家族が十分に話し合って治療内容と方法を選択、確認します。終末期の患者が最も望むことは苦痛の緩和であり、そのために最大限の努力をします。

 

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