「何度もダイエットに挫折してきた」
「運動や食事制限が続かない」
「自己流ではもう限界…」と感じていませんか?
医療ダイエットなら、医師が体質や生活習慣を確認しながら、GLP-1内服薬や食欲を抑えるお薬、脂肪の吸収を抑えるお薬などを組み合わせて無理のない減量を目指します。
しかし、薬には副作用やリスクもあり、医療ダイエットを行う前にこれらの知識を知っておくことは不可欠です。
ここでは医療ダイエットの内容や、起こりえる副作用やリスクについても解説します。
医療ダイエットの種類や副作用・リスクについて解説
医療ダイエットとは、自己流の食事制限や運動だけでは十分な減量が難しい人に対して、医師が医学的根拠に基づいて行う減量治療の総称です。
日本では「肥満(BMI25以上)」の中でも高血圧・糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群などの健康障害を合併した状態を「肥満症」と呼び、これらの改善を目的として減量治療が行われます。
治療の基本はあくまで食事・運動・行動療法ですが、それだけでは効果が不十分な場合に、薬物療法(注射薬・内服薬)、外科的治療(減量・代謝改善手術や脂肪吸引)、注射や医療機器による部分痩せ施術、漢方薬などを組み合わせていきます。
どの方法も「何もしなくても勝手に痩せる魔法」ではなく、医学的な適応やリスクを踏まえたうえで、生活習慣の改善を支える位置付けと考えることが大切です。
医療ダイエットの主な種類と費用・副作用・リスク
① GLP-1受容体作動薬(肥満症治療薬・糖尿病薬)
GLP-1受容体作動薬は、食欲を抑えたり胃の動きをゆっくりにすることで食事量を減らし、体重を減らす効果が期待できる注射薬・内服薬です。
日本では、2型糖尿病を効能とするGLP-1受容体作動薬が複数承認されており(オゼンピック、ビクトーザ、リベルサスなど)、本来は糖尿病治療薬として使用されます。
一方で、肥満症を効能・効果として承認されたセマグルチド製剤「ウゴービ皮下注」は、肥満症患者(一定以上のBMIと合併症を持つ成人など)を対象とした専門的な治療薬です。
費用目安
肥満症治療薬(ウゴービなど)を自費で使用する場合、1か月あたりおおよそ2〜5万円前後が多いとされます(用量や医療機関により大きく変動)。
糖尿病治療薬として保険診療で用いられる場合は、自己負担3割で月数千〜1万円台程度が多いですが、「ダイエット目的の適応外使用」は厚生労働省が注意喚起しており推奨されません。
悪心・嘔吐・下痢・便秘・腹痛などの消化器症状が比較的よくみられ、まれに急性膵炎や重い低血糖など、重大な副作用が起こることがあります。既存の糖尿病薬や腎機能障害などを持つ場合は、特に慎重な投与が必要です。
② 食欲抑制薬(マジンドールなど)
マジンドール(サノレックス)は、満腹中枢に働きかけて食欲を抑える内服薬で、日本では肥満度+70%以上またはBMI35以上の高度肥満症患者に限り、食事療法・運動療法の補助として短期間(原則3か月以内)使用が認められています。
費用目安
自費診療の場合、1か月あたり1〜3万円前後で処方されることが多いですが、対象となるのは高度肥満症で、誰でも気軽に飲める「やせ薬」ではありません。
口渇、便秘、不眠、動悸、血圧上昇、依存性の問題などがあり、循環器疾患や精神疾患のある方には使えない場合があります。長期連用は推奨されず、厳格な適応と管理が必要です。
③ 漢方薬・その他の内服薬
防風通聖散などの漢方薬は、便通改善やむくみの軽減などを通じて体重・体脂肪の減少が報告されているものもありますが、効果には個人差が大きく、医師・薬剤師の指導のもと、体質に合った処方を選ぶことが大切です。
まれに肝機能障害などの副作用が報告されている漢方もあるため、「漢方だから安全」と思い込みすぎないことも重要です。
① 減量・代謝改善手術(肥満外科手術)
日本で行われる主な減量・代謝改善手術として、スリーブ状胃切除術、ルーワイ胃バイパス術、スリーブバイパス術、調節性胃バンディング術などがあります。
これらは胃の容量を小さくしたり、消化管の経路を変えることで、摂取量を減らし、血糖コントロールを改善しつつ長期的な体重減少を目指す手術です。
費用目安
高度肥満症で一定条件を満たす場合には保険適用となる術式もあり、自己負担は数十万円程度になることがあります。一方、美容目的の肥満外科手術や自由診療のケースでは、総額100〜200万円以上に及ぶこともあります。
出血、感染、縫合不全、腸閉塞、血栓症、手術死亡(非常にまれ)、長期的には栄養障害やビタミン欠乏、胆石などが問題になります。術後は一生にわたる食事指導・栄養管理・定期通院が必要で、決して「簡単な痩身手術」ではありません。
② 脂肪吸引
脂肪吸引は、美容外科領域で行われることが多い部分痩せの手術です。皮下脂肪を吸引してボディラインを整えますが、体重そのものを大きく減らす目的ではなく、「見た目の輪郭調整」として位置付けられます。
費用目安
自由診療のため、部位や吸引量によって大きく異なりますが、1部位あたり20〜50万円前後、複数部位で100万円を超えることもあります。
腫れ・内出血・痛み、皮膚の凹凸、左右差、感染、血栓・脂肪塞栓などの重篤な合併症のリスクもゼロではありません。大量吸引や短期間での広範囲施術は特に注意が必要です。
① 脂肪溶解注射(メソセラピー等)
脂肪細胞を壊したり脂肪代謝を促進するとされる薬剤を注射し、部分的なボリュームダウンを狙う施術です。
費用目安
1部位1回あたり1〜5万円程度が多く、複数回の施術が必要になることが一般的です。
施術部位の腫れ・痛み・赤み・硬結、アレルギー反応、凹凸感など。薬剤や注入量、技術によって仕上がりが大きく変わるため、実績のある医師を選ぶことが重要です。
② 冷却脂肪融解、HIFU、EMSなどの機器による痩身治療
脂肪を冷却してアポトーシスを誘導するマシン(クールスカルプティング等)や、高密度焦点式超音波(HIFU)、筋収縮を促す電磁刺激(EMS系マシン)など、さまざまな痩身機器が用いられています。
費用目安
1回あたり2〜10万円程度が多く、数回〜十数回のコースが組まれることが一般的です。
一時的な痛み・しびれ・赤み・腫れ、まれに凍傷や脂肪組織の凸凹など。効果の程度には個人差が大きく、「必ずサイズダウンする」とは言い切れません。
医療ダイエットでは、薬や手術だけでなく、管理栄養士による栄養指導や、心理・行動療法(食行動の記録、ストレスコントロール、睡眠改善など)も重要な柱です。
日本肥満学会は、肥満症治療の目標として、現体重から3%以上(高度肥満では5〜10%以上)の減量を掲げており、食事・運動療法はすべての治療に共通する基本とされています。
| 施術名 | 主な内容 | 費用目安(自費の場合) | 通院期間・回数の目安 | 主な副作用・リスク |
|---|---|---|---|---|
| GLP-1肥満症治療薬(ウゴービ等) | 週1回などの皮下注射で食欲を抑え、長期的な減量を目指す | 月2〜5万円前後 | 数か月〜1年以上継続 | 悪心・嘔吐・下痢・便秘、まれに急性膵炎・重い低血糖など |
| GLP-1糖尿病薬の適応外使用 | 本来は2型糖尿病治療薬。ダイエット目的使用は厚労省が注意喚起 | 月1〜3万円前後(自費) | 数か月以上の継続が多い | 上記と同様+適応外のため安全性・有効性の不確実性 |
| 食欲抑制薬(マジンドール) | 高度肥満症に限定して短期的に食欲を抑える | 月1〜3万円前後 | 原則3か月以内 | 口渇、不眠、動悸、血圧上昇、依存のリスク |
| 減量・代謝改善手術 | 胃の容積を減らす・消化管をバイパスして大幅減量を目指す | 保険適用で自己負担数十万円、自費では100〜200万円以上 | 術前検査〜術後フォロー含め長期 | 出血・感染・縫合不全・栄養障害・まれに手術死亡 |
| 脂肪吸引 | 皮下脂肪を吸引しボディラインを整える美容外科手術 | 1部位20〜50万円前後 | 術後数回の経過観察 | 腫れ・内出血・凹凸・感染・脂肪塞栓など |
| 脂肪溶解注射 | 脂肪に薬剤を注射して部分痩せを狙う | 1部位1〜5万円/回 | 数回〜十数回 | 腫れ・痛み・赤み・凹凸、アレルギーなど |
| 冷却脂肪融解・HIFU・EMS | 機器で脂肪細胞の減少や筋肉の強化を図る | 1回2〜10万円前後 | 数回〜十数回 | 痛み・しびれ・赤み・凍傷等(施術内容により異なる) |
| 漢方薬・行動療法 | 体質に応じた漢方と栄養・行動指導で減量を支援 | 月数千〜1万円台が多い | 数か月〜長期継続 | 漢方薬による肝障害などまれな副作用、効果の個人差 |
一般的なダイエットとの違い
医療ダイエットと一般的なダイエットの違いは、「誰がどう管理しているか」「目的がどこまで健康寄りか」「どこまで踏み込んだ手段を使うか」にあります。
一般的なダイエットは、食事制限・運動・市販サプリなどを、自分の判断で行う自己管理型の減量です。主な目的は「体重を落としたい」「見た目を引き締めたい」といった美容面が中心になりやすく、SNSやテレビで見た情報をもとに独学で取り組むことが多いのが特徴です。費用は比較的少なく済むものの、無理な食事制限や極端な糖質オフなどで体調を崩したり、短期的に痩せてもすぐリバウンドしてしまうケースが少なくありません。
一方、医療ダイエットは「肥満症」や肥満に関連する生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症など)の改善を明確なゴールに据え、医師が診察・検査を行ったうえで治療方針を決める、医療管理型の減量です。食事・運動指導に加え、必要に応じて薬物療法や手術、注射・医療機器を組み合わせるため、自己流では難しい大きな減量や、健康指標そのものの改善が期待できます。その代わり、副作用や合併症への配慮、通院・検査の負担、そして自費診療を含めた費用面のハードルがある点は避けて通れません。
つまり、一般的なダイエットが「自分の裁量で行う体重コントロール」だとすれば、医療ダイエットは「医師の管理のもと、健康リスクを見ながら行う治療としての減量」と言えます。どちらが優れているというより、自分の健康状態・目標・リスク許容度に応じて、適した方法を選ぶことが大切です。
以下に、両者の違いを整理した比較表を示します。
| 項目 | 一般的なダイエット | 医療ダイエット |
|---|---|---|
| 管理する人 | 自分自身(自己判断) | 医師・医療スタッフが診察・検査を行い管理 |
| 主な目的 | 見た目改善・体重減少が中心 | 体重減少+生活習慣病・肥満症の改善と予防 |
| 手段の例 | 食事制限、運動、自己流レシピ、動画・本の情報、市販サプリなど | 食事・運動指導に加え、薬物療法、注射、機器治療、手術など |
| 効果の安定性 | やり方・継続力に左右されやすく、リバウンドも多い | 医学的根拠に基づく治療で、長期的な減量や健康指標改善が期待できる |
| 安全性の管理 | 自己責任での体調管理。過度な制限で体調悪化のリスク | 検査や問診でリスクを確認しながら実施。ただし薬・手術特有の副作用・合併症がある |
| 対象となる人 | 健康だが少し痩せたい人、体型が気になる人など幅広い | 一定以上のBMIや合併症を持つ肥満症の人、自己流でうまくいかなかった人など |
| 費用 | 食費の工夫やジム代・サプリ代など。比較的少額〜中程度 | 保険診療と自費診療が混在。薬や施術、手術は高額になることも多い |
| 期間・通院 | 自分次第。通院は基本不要 | 定期的な通院・検査・経過観察が必要なことが多い |
| 心理的サポート | 基本的に自力。モチベーション維持が課題 | 医師・栄養士などからの継続的なサポートを受けやすい |
| リスクの主なタイプ | 栄養不足、過度な運動によるケガ、摂食障害的な傾向など | 薬の副作用、手術の合併症、長期服用・長期フォローの必要性など |
こんなイメージで、「自分で工夫して体型を整える一般的なダイエット」と、「検査・診断を行ったうえで、治療として行う医療ダイエット」という違いを押さえておくと、読者が自分に合う選択肢を考えやすくなります。
痩身エステとの違い
医療ダイエットと痩身エステの違いは、一言でいうと「医療行為かどうか」「健康状態まで踏み込むかどうか」「使える手段の強さ」が決定的に違います。
痩身エステは、エステティシャンによるマッサージ、ラジオ波・キャビテーション・EMSなどの美容機器、ラップや発汗メニューなどを組み合わせて「ボディラインを整える」「見た目を引き締める」ことを主な目的とします。サイズダウンやむくみ改善、肌のハリ感アップなどを実感しやすく、リラックス目的で通う人も多いのが特徴です。ただし、体重そのものを大きく減らす、肥満に伴う糖尿病や高血圧などの病気を治療する、といった「医療的な効果」を目的とした施術はできませんし、医薬品の投与や注射、外科的な手術なども行えません。
一方、医療ダイエットは医師が診察・検査を行い、肥満度や合併症の有無を踏まえて治療計画を立てる「医療」です。食事・運動指導に加えて、GLP-1受容体作動薬などの薬物療法、減量・代謝改善手術、脂肪吸引、脂肪溶解注射、医療用痩身機器など、医療行為を伴う介入が可能です。体重や見た目の改善にとどまらず、血糖値・血圧・脂質などの健康指標の改善を目標にすることが多く、肥満症や生活習慣病の治療の一環として位置づけられます。その反面、薬の副作用や手術の合併症といったリスク、検査や通院の負担、費用の高さなど、エステにはないハードルもあります。
つまり、痩身エステは「気持ちよくケアしながらボディラインを整える美容サービス」、医療ダイエットは「医師が健康状態を見ながら行う治療としての減量」と整理するとイメージしやすくなります。どちらが良い悪いではなく、「どこまでの効果を求めるのか」「健康リスクがどの程度あるのか」によって選び方が変わります。
以下に、両者の違いを表でまとめます。
| 項目 | 痩身エステ | 医療ダイエット |
|---|---|---|
| 位置づけ | 美容サービス(リラクゼーション・ボディメイク) | 医療行為を含む「治療」としての減量 |
| 担当する人 | エステティシャン(国家資格ではない民間資格が中心) | 医師・看護師・管理栄養士など医療従事者 |
| 主な目的 | 見た目の引き締め、サイズダウン、むくみ改善、リラックス | 体重減少+糖尿病・高血圧など肥満関連疾患の改善・予防 |
| 施術内容 | マッサージ、ラジオ波、キャビテーション、EMS、発汗メニューなど | 食事・運動指導+薬物療法、注射、医療機器、手術など |
| 使える手段の強さ | 皮膚表面〜浅い部分への物理的アプローチが中心。医薬品・注射・手術は不可 | 体内に作用する薬、脂肪吸引や減量手術など、侵襲度の高い手段も選択可能 |
| 期待できる効果 | 一時的なむくみ軽減、部分的なサイズダウン、肌のハリ感アップなど。体重減少は限定的なことが多い | 体重の中〜大幅な減少、血糖値・血圧・脂質など健康指標の改善が期待できる |
| エビデンス(科学的根拠) | メニューによってはデータが乏しく、効果に個人差が大きい | ガイドラインや臨床試験データに基づくものが中心(内容により差はある) |
| 安全性管理 | カウンセリングはあるが、血液検査や医学的検査は基本行わない | 診察・検査でリスクを評価しながら実施。副作用・合併症への医療的対応が可能 |
| リスクの種類 | 内出血、軽いやけど、筋肉痛、好みでない仕上がりなど。医療行為ができない分、重篤な合併症は起こりにくいがゼロではない | 薬の副作用(胃腸障害、低血糖など)、手術合併症(出血・感染など)、長期の栄養管理が必要になる場合も |
| 対象となる人 | 主に美容目的で体型を整えたい人。健康状態は自己申告ベース | 肥満症や生活習慣病がある人、自己流ダイエットでうまくいかない人など、医学的に減量が望ましい人 |
| 費用感 | 1回数千〜数万円程度のコースが多く、都度払い・回数券など | 保険診療と自費診療が混在。薬や手術、注射・機器は月数万円〜数十万円規模になることも |
| 通い方 | 週1〜月数回ペースで継続することが多い | 医師の指示に沿って、月1回前後の通院や検査、長期フォロー |
| トラブル時の対応 | 軽微なトラブルはサロン内で対応。重い症状は医療機関受診となる | その場で医師が評価・処置し、必要に応じて入院・専門治療も含めて対応可能 |
このように、「気持ちよさとボディケア重視なら痩身エステ」「健康リスクも含めてしっかり減量したいなら医療ダイエット」という整理で書いてあげると、ユーザーが違いを理解しやすく、その後の導線(クリニックへの相談など)にもつなげやすくなります。
医療ダイエット施術のメリット・デメリット
医療ダイエットの施術には、「体重を減らす」ことに加えて、「肥満に伴う健康障害を改善し、将来的な病気のリスクを下げる」という大きなメリットがあります。
特に肥満症治療薬や減量・代謝改善手術は、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの改善に寄与することが報告されており、体重減少以上の健康利益が期待されます。
一方で、薬物療法は副作用や長期使用の安全性、外科手術は合併症や術後の栄養管理など、大きな負担とリスクを伴うため、慎重な検討が不可欠です。
非外科系の痩身施術(脂肪溶解注射やマシン治療など)は、ダウンタイムが比較的短く、仕事を休みにくい方でも受けやすいという利点がありますが、あくまで「部分的なサイズダウン」が中心で、体重全体を大きく減らすものではありません。
施術回数も多くなりがちで、トータル費用が高くなることもしばしばです。
また、いずれの施術を選んだ場合でも、食習慣や運動習慣が変わらなければリバウンドのリスクは残ります。「医療ダイエット=努力しなくてよい」ではなく、「医学的なサポートを受けながら、生活習慣の改善を現実的に続けるための手段」と捉えることが重要です。
- 医師が健康状態をチェックしながら行うため、安全性や適応を確認しやすい
- 合併症(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)の改善を通じて将来の病気リスクを下げられる可能性がある
- 自己流ダイエットよりも、科学的根拠に基づいた方法で取り組める
- 薬物療法や手術により、従来のダイエットでは難しかった大幅減量が期待できる場合がある
- 薬の副作用や手術の合併症など、医療ならではのリスクが避けられない
- 多くは自費診療で、長期的には高額になりやすい
- 生活習慣を変えなければリバウンドする可能性が高い
- SNSやネット広告で、適応外使用や誇大な効果をうたう情報も多く、見極めが難しい
医療ダイエットを検討する際には、まず「健康目的なのか、美容目的なのか」「どの程度の体重減少を目標とするのか」を明確にし、医師と共有することが大切です。肥満症の治療を主目的とする場合と、美容的な部分痩せを目的とする場合とでは、選ぶべき治療や優先順位が大きく変わります。
初診では、既往歴・内服薬・アレルギー・妊娠の可能性などを詳しく伝えましょう。特に、心疾患・脳血管障害・糖尿病・腎機能障害・肝機能障害・精神疾患の既往がある場合は、使用できる薬や受けられる施術が限られることがあります。
費用面では、「初診料・再診料」「検査費」「薬代」「施術代」「アフターケア費用」を含めた総額や、途中で中止する場合の返金・キャンセルポリシーを事前に確認しておくと安心です。また、SNSや広告で見かける「◯か月で必ず−◯kg」「リバウンドなしを保証」などの表現は、医学的には過剰な約束であることが多く、注意が必要です。
さらに、GLP-1受容体作動薬などをダイエット目的で適応外使用することについては、厚生労働省が注意喚起を行っており、適応外使用の安全性・有効性が十分確認されていないことが明記されています。安易なネット処方や個人輸入には大きなリスクが伴うため、必ず医師の診察を受け、適応やリスクを理解したうえで治療を選択しましょう。
医療ダイエットが向いているのは、
- 肥満に関連する健康障害(糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など)があり、医師から減量を勧められている人
- 食事・運動など自己流ダイエットを何度も試みても、どうしても結果が出ない、あるいはリバウンドを繰り返している人
- 「何kg痩せたいか」だけでなく、「健康指標(血糖値・血圧・脂質など)も良くしたい」と考えている人
- 医師や栄養士のアドバイスを受けながら、生活習慣を見直す意思がある人
一方で、医療ダイエットが向いていないのは、
- 「楽してすぐに痩せたい」「運動や食事は一切変えたくない」という短期的・受け身の姿勢だけで臨んでいる人
- 重い心疾患・肝障害・腎障害・精神疾患などがあり、薬物療法や手術のリスクが高いと判断される人
- 妊娠中・授乳中、または近い将来の妊娠を強く希望しており、使用できない薬や施術が多い人
- 過去に摂食障害(過食症・拒食症など)の既往があり、体重や体型への強いこだわりが治療を悪化させる可能性がある人
医療ダイエットは「やる気さえあれば誰でもOK」というものではなく、医学的な適応と心理的な準備の両方が必要な治療です。不安や疑問がある場合は、一度カウンセリングだけでも受けて、自分に合った選択肢かどうかを医師と一緒に確認することをおすすめします。
医療ダイエットに関するQ&A
- 医療ダイエットとは?
-
医療ダイエットは、医師が検査や問診を行い、体質や持病に合わせて薬や注射、機器治療、生活指導を組み合わせる減量治療です。単なる美容目的だけでなく、肥満に伴う糖尿病や高血圧などのリスク改善も大きな目的になります。
- どれくらい体重が減る?
-
方法や体質によって大きく異なりますが、ガイドライン上はまず「現在体重の3〜5%減」を目標にすることが多いです。GLP-1製剤や減量手術では、それ以上の減量が期待される場合もありますが、食事や運動の取り組み方によって結果は変わります。
- 費用はどのくらい?
-
保険診療か自費診療かで大きく変わります。自費の薬物療法は月1〜5万円前後、痩身機器や注射は1回数万円、減量手術は合計で数十〜百万円規模になることもあります。初診料や検査費、再診料まで含めた総額を事前に確認することが大切です。
- 副作用はありますか?
-
薬物療法では吐き気や下痢、便秘などの胃腸症状、まれに急性膵炎など重い副作用が問題になります。手術では出血や感染、栄養障害などの合併症リスクがあります。どの治療でも「ゼロリスク」ではないため、事前に説明を受け、納得してから始めることが重要です。
- 期間と通院頻度は?
-
多くの医療ダイエットは数か月〜1年単位で計画し、月1回前後の通院が一般的です。薬の量調整や副作用チェック、採血検査、生活指導の見直しなどを行うため、短期集中というより「中長期で体質と習慣を整える」イメージを持っておくとよいでしょう。
- 食事制限は必要ですか?
-
はい、程度の差はありますが基本的に必要です。医療ダイエットは薬や手術だけで痩せるものではなく、食事の量・質・タイミングを見直すことが前提です。ただし、極端な糖質制限などではなく、栄養バランスを保ちながら無理のない範囲で続けられる方法を一緒に考えます。
- リバウンドしませんか?
-
医療ダイエットでも、生活習慣が元に戻ればリバウンドの可能性はあります。ただ、医師や栄養士が「太った原因」を一緒に整理し、食事・運動・睡眠などを改善することで、自己流ダイエットよりリバウンドしにくい土台を作りやすいのが大きなメリットです。
- どんな人に向いている?
-
BMIが高く肥満症と診断される人、肥満に関連する持病(糖尿病・高血圧など)がある人、自己流ダイエットで何度も失敗している人に向いています。また「見た目」だけでなく「健康診断の数値も良くしたい」「将来の病気リスクを減らしたい」と考えている人にも適しています。
- サプリとの違いは?
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市販サプリは医薬品ではなく、効果も副作用情報も医療レベルでは管理されていません。医療ダイエットでは、効果や安全性が検証された医薬品や手術、医療機器を用い、血液検査や診察を通じてリスクを確認しながら進めます。この「医学的な根拠と管理」が大きな違いです。
- オンライン診療は可能?
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クリニックによっては、問診や経過観察、内服薬の処方をオンラインで行っているところもあります。ただし、初診時に対面での診察や検査が必要な場合も多く、注射治療や手術、機器施術は来院が必須です。オンラインだけで完結するのか、通院が必要かは事前に確認しましょう。


